2025年1月12日日曜日

高齢化による困難症例の増加

 ■慢性疾患の増加

スコットランド2007年

65才までにほぼすべての人が

複数の慢性疾患あり

75才以上では5種類以上の

慢性疾患保有者が1/3


現在の日本でははるかに多い

と思われる


■対応

・multi-problem症例:複数の疾患があり

心理社会的背景を有する


・multimorbidity:複数の慢性疾患があり

中心となる疾患・症候が設定し難い状態

日本では高齢者の60%

ポリファーマシーの増加、

QOLの低下、

死亡率の上昇と関連あり


・困難事例:

患者自身の問題

患者の状況

家族などの介護者

支援する専門職との関係性


・対応法

本人の意向・大切にすることを聞く

介護保険サービスの利用

家族の意見

多職種による介入

治療の優先順位を提示


■アリアドネの原則

1.患者の状態、治療、性格、背景の相互作用評価

2.患者のし好を考慮した健康問題の優先順位付け

3.診断、治療、予防における現実的な目標を設定


■3つの原則

1.全体を全体のままとらえ、相互作用を重視する

2.疾病負担と治療負担を考慮する

3.ケアの目標を患者や家族と考える


〇治療負担

指示通りの内服、食事、運動の遵守、検査を受ける

通院する

〇キャパシティ

医療者の指示を適切に理解する

決められた内服や治療、通院内容を守る

支える家族の余裕や能力

★全体最適のためには個別の問題に行うべき

ことの多くをあえて実行しないことで

折り合う必要がある★


〇実際の現場

望ましい治療負担を受け止めきれない

何かを改善するための介入が他の要素に悪影響する

治療負担の増大を許容してでも疾病負担を改善するのか

ADL低下を許容しても生命の延長をとるのか

生命予後は妥協しても現在のQOL維持を優先するのか

病状の悪化を覚悟しても治療負担を減らして

余裕資金と時間、体力を捻出して

旅行や美食に回したいのか

★患者の価値判断に基づく共同意思決定が必要、

適切でわかりやすい情報提供をしつつ、

後悔のない、納得のいく決断の支援を行うこと★


2025年1月6日月曜日

咳止め、ほか、くすりがありません。

 年末から咳止めが入荷しません。年明けも咳止めが入ってきません。本日、院外処方で咳止めを出しましたが、近隣の調剤薬局にもまったく咳止めがないそうです。

また、循環器疾患で使っている、ジルチアゼムも12月から入荷がありません。