2019年9月29日日曜日

9月28日講演会、心房細動、急性冠症候群

9月28日講演会、心房細動、急性冠症候群
心房細動における抗凝固療法を冷静に考える
聖マリアンナ医大、薬理学教授、松本先生
1.心房細動を見つけたとき
症状がつらいときは専門医へ紹介してもよい。
2.抗凝固療法はいつはじめるか
急いではじめた方がよいのは、病気が多い人
実年令よりも弱っている人
CHADS2スコア
迷ったら
CHA2DS2-VAScスコア
いずれも年令が大事
3.どのくすりか
ワルファリン:投与初期に過凝固、1ヶ月くらいは不安定、脳出血に注意
新規抗凝固薬:大出血は少ないが、飲み忘れに注意
どのくすりか:比較できない、治験では対照群のワルファリン規格が異なるため
4.抗凝固療法で注意する点
相互作用:とくにCYP-3A4
高血圧
腎機能
5.いつまで続けるか
アブレーション後
高齢者
6.がんで亡くなることが多い
便潜血、貧血に注意

急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)を読み解く
横浜市立大学、心臓血管センター、木村教授
不安定狭心症、ST上昇型心筋梗塞、非ST上昇型心筋梗塞は、
血栓が関与しているので、血栓が関与しない安定狭心症とは
異なり、予後が不良である。
院外での死亡は不整脈
心電図正常でも症状から疑って救急搬送依頼したほうがよい
後壁梗塞では、背部誘導V7,8,9の記録が有用。
冠動脈ステント留置術後の抗血小板療法は
アスピリン+クロピドグレル(6ヶ月から1年)
出血リスクを考慮して期間が短くなる傾向
来年の新しいガイドラインの公表待ち

2019年9月28日土曜日

9月25日、糖尿病治療における運動療法の意義

9月25日、糖尿病治療における運動療法の意義
聖マリアンナ医大、田中教授の講演
筋肉は、最大の糖の取り込み組織であるが、糖尿病患者では取り込みが少ない。
筋肉への糖の取り込み:インスリンが必要。
肥満や運動不足で筋肉のインスリン抵抗性があると、糖の取り込みが低下する。
運動により筋肉への糖取り込みが可能。
血管、赤血球、肝臓、膵臓、脳、骨などでは、インスリンに関係なく糖が取り込まれるので、
細胞内に糖が過剰になる。糖を出すのに細胞内で活性酸素が増えて細胞が壊死する。
したがって、
糖尿病はあらゆる病気の原因になる病気である。
また、あらゆる病気を悪化させる病気である。
運動は朝食後の中等度のまとまった運動が最も効果的である。
座りっぱなしの生活の人では、30分に1回5分間でも立っていると血糖改善効果はある。

2019年9月21日土曜日

9月19日、現代人にマッチした脂質治療

9月19日、現代人にマッチした脂質治療
平光ハートクリニック、平光伸也先生
名古屋の循環器開業医グループで臨床研究をしている先生
日本人のコレステロール摂取量は6倍に増加。
スタチン治療では、コレステロールの合成が抑制されるが、
コレステロールの吸収が亢進することがある。
血中コレステロールは、消化管からの胆汁再吸収による割合が食事由来の3-5倍多い。
この場合、吸収を抑制する薬剤であるエゼチミブの併用が有効である。
近年、スタチンとエゼチミブの合剤が発売された。
食後高脂血症については、エゼチミブが有効であることを報告した。
かくれ家族性高脂血症(FH):LDL200の人、スタチン投与でLDL130に下がったが、本当はFHなので、LDL100以下にしたい。
FHは100人中60人が心筋梗塞で死亡(ふつうは100人中10人以下)。
現代人の問題点:高血圧、脂質異常症、糖尿病、いずれも投薬で改善しうるが、肥満が改善できない場合あり。
心筋梗塞のリスクは30%しか減っていない。こんなに薬を飲んでいるのに!

9月17日、「妊娠および授乳と薬」

9月17日、第555回医学研修の日、横浜市健康福祉総合センターにて
「妊娠および授乳と薬」
ヒトでは、薬に関係なく先天異常が2-3%、流産が15%ある。
妊娠20週までは中枢神経系の異常
妊娠中期から降圧剤(ACE、ARB)による腎障害の可能性
妊娠後期では、解熱鎮痛剤による動脈管開存のおそれ
ワルファリン、抗がん剤の一部、ヨード、抗生剤の一部、アルコール、喫煙は胎児毒性あり。
授乳による利点:児の白血病減少、将来の認知機能改善、糖尿病減少など、母体の乳がん減少、閉経後骨粗鬆症減少など
授乳中止すると搾乳などのケアが必要
参考:母乳とくすりハンドブック(大分県)

駐車場閉鎖のお知らせ

駐車場閉鎖のお知らせ
10月末で当院の駐車場4台分のうち、
2台分(7番と49番)がなくなることになりました。

2019年9月8日日曜日

9月2日講演会 ミネブロ発売記念学術講演会

9月2日講演会
ミネブロ発売記念学術講演会
香川大学薬理学、西山教授の講演
塩分の過剰摂取では、ミネラルコルチコイド受容体(MR)が活性化され血圧が上がる。
この場合、ACE阻害薬やARBといった降圧剤は効きにくいが、
MRブロッカーを追加投与するとよい。
従来からあるMRブロッカーは、ステロイド誘導体であるため、全身に分布し、副作用が出やすい。
今回新規発売になったミネブロは非ステロイド誘導体であり、心、肝、腎に分布し、
半減期が長く、MR選択性が高い。
当院ではまだ院内非採用です。

9月8日横浜市都筑区休日急患診療所、内科担当、10時から16時

9月8日横浜市都筑区休日急患診療所、内科担当、10時から16時
上気道炎、胃腸炎、湿疹、蜂刺されなど
なかなか治らない咳の方や定期内服薬が多種類ある方が受診
今日は小児科がいつもより少なく、内科も十数名でした。

2019年9月1日日曜日

8月29日新横浜循環器連携会

8月29日新横浜循環器連携会
小和瀬先生
心電図上の左脚ブロックで左室壁運動の同期不全が起こることが多いが、
→心臓超音波検査で同期不全がない場合がある。
→心電図で鑑別できないものか。
QRS幅の延長が進行すると同期不全が起こりやすい。
変時性不全の話。徐脈で運動能力低下した94才男性。
心電図ではST部分の軽度下降、高電位差があるが、心負荷のために認められるという。
心拍応答型のペースメーカーを植え込み、運動能力が改善した。
青木先生
去年から安定型狭心症のカテーテル治療では、狭窄が虚血を起こしているか判定が必要になった。
一般的には心臓カテーテル検査のときに冠血流予備量比FFRをみて判定する。
最近、米国では、FFR-CTといって、CT検査で判定が可能になった。
労災病院でも今後採用する予定である。