横浜市大
消化器外科
國崎教授の講演
<本邦における減量・代謝改善外科治療の現状と課題>
欧米では年間50万件以上の肥満外科治療
本邦では2014年保険適応となり
年間800件スリーブ状胃切除術
■適応基準
ア:6ヶ月以上の内科的治療でもBMI35以上で、
糖尿病、高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸
のうち一つ以上
イ:6ヶ月以上の内科的治療でもBMI32以上で、
HbA1c8.0以上、血圧160以上、LDL140以上、
AHI30以上のOSASのうち二つ以上
■手術方法
スリーブ状胃切除術のみ保険適応。
本邦では胃癌が多いため、
術後に内視鏡検査が容易な術式。
腹腔鏡下に胃大弯側を細長く切除し、
幅4cm、容量100ml程度にする。
手術時間3hr、出血20ml程度。
術後合併症は、逆流性食道炎、縫合不全、
出血など、発生頻度は低い。
■治療法の特徴
術前に精神科医によるメンタルヘルス評価と
サポートが必須。
欧米では術後に自殺者あり。
術前に自ら5%以上の体重減少を
はかることができる患者さんに限定。
通常、初診時から3から6ヶ月かけて
複数回の多職種カンファレンスを行う。
術後1年で30%程度の減量が可能だが、
リバウンドが30%程度あり。