2025年5月28日水曜日

帯状疱疹の予防

 帯状疱疹の予防


■乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)

予防効果

60才代64%、70才代41%、80才以上18%


■組み換えワクチン(シングリックス)

予防効果

50才代97.2%、60才代97.4%、70才代91.3%

80才以上91.4%


■帯状疱疹に対する予防効果

接種後1年時点:生ワクチン、6割程度/組み換えワクチン、9割程度

5年時点:4割程度/9割程度

10年時点:-/7割程度


■帯状疱疹後神経痛に対する効果

接種後3年時点:6割程度/9割以上


■ワクチンの副反応

70%以上:生ワクチン、-/組み換えワクチン、疼痛

30%以上:発赤/発赤、筋肉痛、疲労

10%以上:掻痒感、熱感、腫脹/頭痛、腫脹、発熱


■帯状疱疹ワクチンの定期接種開始

7月から

接種対象者

1.年度内に65才になる方

2.年度内に70,75,80,85,90,95、100才になる方

(5年間の経過措置)

3.60才以上65才未満の方で

ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に1級相当の障害がある方

4.100才以上の方)R7年度のみ


生ワクチン(ビケン):接種回数1回、皮下注、自己負担額4000円

組み換えワクチン(シングリックス):

接種回数2回(2か月あけて)、筋肉注射、自己負担額1回10000円

6月下旬に対象者へ個別通知を送付

組み換えワクチンはR8年1月までに1回目接種が必要


2025年5月27日火曜日

学校健診

 5月26日(月)午後、27日(火)午後は、中学校の内科健診のため、休診しました。

それぞれ約2時間で約200名ずつ、合計約400名の生徒の健診を行いました。

これで約半数の生徒の健診が終わりました。

アトピー性皮膚炎の方、側弯症の経過観察中の方がいました。

肥満体型の方もいますが、低身長の方が気になりました。

小学生では、成長曲線の記録がありますが、中学生に引き継ぐことはないそうです。

ホルモン治療は10才ごろから始めないと効果がないようなので、

中学生では難しいのでしょうね。

2025年5月24日土曜日

最近の感染症の動向と対策

 <最近の感染症の動向と対策>

■コロナの反省

国の指揮命令系統がない

情報収集が大事


■新たな感染症が増えている

気候変動と災害

人の移動の活発化

人間の活動範囲の拡大

都市化と人口集中による衛生環境の遅れ

戦争による人道危機



■動物から人に感染するスピルオーバー現象が増加


■COVID-19の現状

夏と冬に流行

主流:オミクロンの派生系

感染力高いが重症化率は低い

高齢者が基礎疾患あると重症化

感染報告は減っているが

入院患者はあまり減っていない

ワクチン:発症予防は限定的だが

重症化・入院予防には有効

年1回は必要

とくに65才以上や基礎疾患ある方


■インフルエンザ

2024-25の流行は1999年以降で最大の流行だった

高齢者:咳96%、高熱がない30%、呼吸困難73%

ワクチン:発症リスクを下げ、重症化へらす


■急性呼吸器感染症ARI

急性上気道炎または下気道炎

5類感染症になった理由

流行の動向

未知の呼吸器感染症の把握


■はしかの再拡大

空気感染

ワクチン2回接種で95%以上予防

2025年の症例では20-30才台が多い


■その他

水ぼうそう

風しん

帯状疱疹

百日咳


2025年5月23日金曜日

コロナ感染で今なお30人に1人亡くなる

 2023年のコロナ関連死亡数は5万人

インフルエンザでは年間数千人の死亡

オミクロン株による重症化リスクは

30才代を1とすると

50才代は10倍、60才代は25倍

2024-2025シーズンのJN1ワクチンでは

発症予防効果33%、入院予防効果は45%

2025年5月18日日曜日

「高齢者も気を付けたい小児感染症」

 <子供の感染症>

1才児:1年間に平均6回風邪をひく

6才くらいで免疫力が大人なみになる

40才以上では免疫力が低下する

感染機会が減るとアレルギー疾患が増える

免疫のバランスがくずれるため

コロナ禍で免疫力が低下している

免疫の発達にある程度の感染は必要

重症感染症はワクチンが必要


<高齢者の感染症>

◆インフルエンザ

毎年ワクチンが必要

怖いのは細菌性肺炎の合併

◆肺炎球菌:鼻咽頭に保菌のことあり

敗血症や髄膜炎になると重症

喘息や慢性閉塞性肺疾患があると6-7倍感染しやすい

ワクチンが有効

◆RSウイルス

2才までにほぼ100%感染

免疫はつかないので

生涯反復感染する

高齢者では重症化しやすい

抗ウイルス薬はない

50才以上で基礎疾患があるか

60才以上の方ではワクチンがある


<百日咳>

乳児では重症化しやすい

抗菌薬が効きにくい耐性菌が増えている

大人:咳き込み、嘔吐、肋骨骨折

2週間以上長引く咳に注意


2025年5月3日土曜日

心不全治療

 心不全治療:日内会誌2025、日循GL2025

<左室駆出率EFによる層別化>

・HFrEF:EF40%未満

・HFmrEF:EF41-49%

・HFpEF:EF50%以上

<HFrEF>

ACE(エナラプリルなど)、ARB(カンデサルタン)、

MRA(スピロノラクトンなど)、BB(ビソプロロールなど)

<HFpEF>

HT(血圧)、CAD(虚血)、AF(心房細動)、弁膜症の治療

利尿薬、SGLT2阻害薬、ARNI

<ARNI>(サクビトリルバルサルタン)

アンジオテンシンの作用抑制

Na利尿ホルモン濃度上昇による

心筋、腎臓、血管の保護作用

<SGLT2阻害薬>(ダパグリフロジンなど)

利尿効果、腎保護効果、体重減少

EFに関係なく心不全再入院を予防

<MRA>

心血管系の線維化やリモデリングの抑制

HFmrEF、HFpEFにおいても再入院予防効果あり

<リバースリモデリング>

心臓の動きの回復

BBが有効

BBの増量が困難で脈拍75以上では

イバブラジンの導入

5月、6月の休診

 学校健診のため、

5月13日(火)終日

5月26日(月)午後

5月27日(火)午後

6月9日(月)終日

6月23日(月)午後

6月24日(火)午後

休診します。