横浜労災病院 広報誌3月号より
感染症部 城先生
2月18日から医療関係者への先行接種として開始。
横浜労災病院職員180名の1回目接種が終了。
副反応は発熱2名のほか軽微な局所反応のみ、重症のアレルギー反応なし。
今後、横浜市の医療関係者への優先接種が始まるが、まだ予定は未定。
今回、先行接種に使用したワクチンは世界初のm-RNAワクチンであり、
3週間間隔で2回筋肉内注射で有効率95%と高い免疫効果が得られる。
従来のワクチンは弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンであり、
いわばウイルスそのものを接種するものである。
m-RNAワクチンは、新型コロナウイルスの表面にある突起(スパイク)を作る設計図
(m-RNA)を利用したものである。
脂の膜で包まれたm-RNAを筋肉注射すると、スパイク蛋白が産生され、中和抗体
(液性免疫)が産生されるとともに、細胞性免疫も誘導される。
ウイルスそのものを注射するのではなく、ワクチンによる感染はない。
また、m-RNA自体はヒトの細胞の核内に入り込むことはできないので、
遺伝子組み換えとは異なる。
接種時の注意
・接種が可能:花粉症、喘息、mRNAワクチンの成分以外のアレルギー歴
アナフィラキシー歴ある人は、接種後30分待機、それ以外の人は15分待機
・注意が必要:中等度から重度の急性期疾患。別のワクチンや注射薬にアナフィラキシー歴ある人
接種する場合は、接種後30分経過観察
・接種不可:1回目のmRNAワクチンで重度のアレルギー、
mRNAワクチンの成分(ポリエチレングリコール)にアナフィラキシー歴
ポリソルベートにアナフィラキシー歴
ポリエチレングリコール、その類似物質ポリソルベート:便秘薬、軟膏、ワクチン、化粧品などに含まれている