2021年4月5日月曜日

横浜労災病院 広報誌3月号より m-RNAワクチンについて

 横浜労災病院 広報誌3月号より


感染症部 城先生


2月18日から医療関係者への先行接種として開始。

横浜労災病院職員180名の1回目接種が終了。

副反応は発熱2名のほか軽微な局所反応のみ、重症のアレルギー反応なし。

今後、横浜市の医療関係者への優先接種が始まるが、まだ予定は未定。


今回、先行接種に使用したワクチンは世界初のm-RNAワクチンであり、

3週間間隔で2回筋肉内注射で有効率95%と高い免疫効果が得られる。


従来のワクチンは弱毒生ワクチンまたは不活化ワクチンであり、

いわばウイルスそのものを接種するものである。


m-RNAワクチンは、新型コロナウイルスの表面にある突起(スパイク)を作る設計図

(m-RNA)を利用したものである。

脂の膜で包まれたm-RNAを筋肉注射すると、スパイク蛋白が産生され、中和抗体

(液性免疫)が産生されるとともに、細胞性免疫も誘導される。

ウイルスそのものを注射するのではなく、ワクチンによる感染はない。

また、m-RNA自体はヒトの細胞の核内に入り込むことはできないので、

遺伝子組み換えとは異なる。


接種時の注意

・接種が可能:花粉症、喘息、mRNAワクチンの成分以外のアレルギー歴

アナフィラキシー歴ある人は、接種後30分待機、それ以外の人は15分待機


・注意が必要:中等度から重度の急性期疾患。別のワクチンや注射薬にアナフィラキシー歴ある人

接種する場合は、接種後30分経過観察


・接種不可:1回目のmRNAワクチンで重度のアレルギー、

  mRNAワクチンの成分(ポリエチレングリコール)にアナフィラキシー歴

  ポリソルベートにアナフィラキシー歴


ポリエチレングリコール、その類似物質ポリソルベート:便秘薬、軟膏、ワクチン、化粧品などに含まれている