2019年10月12日土曜日

10月8日、多様化する心房細動患者のそのゆくえ

10月8日、多様化する心房細動患者のそのゆくえ
心臓血管研究所 山下武志所長の講演

新規抗凝固薬が導入されてから、脳梗塞が減少しており、
薬価は高価であるが、費用対効果はすぐれている。
導入時期は、危険因子の判定に簡便な指標(CHADS2スコア)が有用であったが、
実際には、心房細動患者の脳梗塞発症率はまちまちで、
危険因子をそろえてもばらばらであった。
心不全の定義や高血圧の定義などを厳密に規定すると、
実際の臨床現場では使えなくなる。
ではどうしたらよいか?
視点を変えて、心房細動のはじまりからではなく、
おわり、つまり死因から考えると、
日本人心房細動患者の三大死因は、
がん、心不全、感染症
であり、脳卒中ではない。
死亡の危険因子はいろいろあるが、とくに腎機能に注目すると、
eGFRという指標で見た場合、
60以上は心血管疾患は少なく、適応があればアブレーションをすすめたい。
45から60では、脳梗塞危険性が上がり、予防が必須となる。
また、定期的に腎機能確認が必要。
30から45では、転倒、感染、大出血に注意。
多剤併用はさける。血圧管理は重要。
30以下は、明確な証拠はない。脳卒中以外の疾患に注意。