■急性冠症候群
・発症12時間以内のST上昇型心筋梗塞
日本では90%以上でPCI(ステント治療)
・非ST上昇型心筋梗塞や不安定狭心症
高リスクならPCI
(薬物抵抗性の胸痛、心不全、致死的不整脈など)
左冠動脈主幹部病変や
重度な石灰化ではバイパス手術を検討
・IABPよりIMPELLA(カテーテル型の経皮的左室補助装置)
■慢性冠症候群
・不安定性の評価
発症2ヶ月以内、高頻度、労作閾値の低下
・非侵襲的検査
運動負荷心電図より
冠動脈CTや負荷心筋シンチ
・安定狭心症
ステントやバイパス治療より内科治療
・ステントの進化(第三世代)
・血管内画像診断(超音波、近赤外線)
・虚血評価にFFR≦0.8(冠血流予備量比)
■抗血栓療法
・高出血リスク
主要項目1つ以上
(低体重:男<55kg、女<50kg、
高度腎機能低下、貧血Hb<11、
心不全、出血の既往、脳血管障害など)
副次項目2つ以上
(75才以上、中等度腎機能低下、軽度貧血、
NSAIDs内服など)
・高血栓リスク
喫煙、ステント/バイパス治療、心不全、高齢など
・ステント治療後
出血リスクが高いときは
2剤抗血小板剤(DAPT)の期間は1から3ヶ月
血栓リスクが高いときは
2剤抗血小板剤の期間は3から12ヶ月
・DAPT後
アスピリン単剤
出血/血栓リスクとも高いときは
クロピドグレル/プラスグレル
■末梢動脈疾患
・内服治療:抗血小板剤、スタチン、血圧管理
・LDL値は55低下
・β遮断薬は下肢虚血の増悪に関連ない
・血行再建後は、抗血小板剤と抗凝固薬併用もあり
・大動脈-腸骨動脈病変:カテーテル治療
動脈瘤合併や腸骨から大腿動脈の病変では外科併用
・大腿膝窩動脈病変:25cm未満はカテーテル治療
・膝下動脈病変:長区間や再狭窄多く原則禁忌
自家静脈が使えるかどうか
■大動脈疾患
・大動脈ステントグラフト留置術(EVAR)
・破裂予防目的から破裂例や解離例にも使用
・エンドリーク:動脈瘤内への血液の漏れ
治療後に瘤径拡大や破裂の原因
瘤から分岐・開存するすべての側枝を塞栓して予防
■心房細動
・CHADS2スコア
心不全、高血圧、75才以上、糖尿病は各1点
脳梗塞の既往は2点
・その他のリスク
65才以上、心筋症など
・1点以上で抗凝固薬考慮
・カテーテルアブレーション治療
自覚症状のある発作性心房細動が最もよい適応
・治療成績
海外の報告:発作性で非再発率64から75%
持続性で洞調律維持率46-59%
日本の成績:洞調律維持率
発作性で80%、持続性で76%
・術後の管理
術後3ヶ月は術後炎症の影響で再発してもその後消失
術後3ヶ月は抗凝固薬継続
脳梗塞のリスクが高い場合は継続投与
■経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)
・適応:すべての有症候性大動脈弁狭窄症
・年令の目安:75才未満は外科的弁置換術(SAVR)
80才以上はTAVI
・Tav in Sav:外科的生体弁術後で劣化したとき
・Tav in Tav:TAVI弁の劣化で2回目の治療
■経皮的僧帽弁形成術(MitraClip):
・カテーテルで弁にクリップをはさむ
・適応:左室駆出率>20%で外科的開心術困難
有症候性の一次性および二次性重症僧帽弁閉鎖不全
二次性では保存的内科治療が十分に行われていること