2023年3月11日土曜日

保存期慢性腎臓病(CKD)患者における貧血治療

 保存期慢性腎臓病(CKD)患者における貧血治療

自治医大腎臓内科

平井先生


■腎性貧血が起こりやすい腎機能の目安

・血清Crn2.0以上またはeGFR20-35未満

・糖尿病性腎症ではeGFR45未満

・ヘモグロビン(Hb)10未満で血中エリスロポエチン(EPO)50未満


貧血は腎機能低下速度を速め、透析導入や死亡になりやすい。


■Hb目標値

保存期CKD:Hb11-13

目標値が低めでもよい人:身体活動度が低い、心筋梗塞や脳卒中の既往、悪性腫瘍あり

目標値が高めでよい人:身体活動度が高い、心筋梗塞や脳卒中の既往なし


■CKD患者における鉄剤投与基準

EPO未投与:フェリチン50未満

EPOまたはHIF-PH阻害薬投与中:フェリチン100未満かつTSAT20%未満

中止:フェリチン300以上


■亜鉛や銅欠乏に注意


■HIF-PH阻害薬

・エベレンゾ:週3回

・バフセオ:1日1回

・ダーブロック:1日1回

・エナロイ:1日1回、食前または眠前

・マスーレッド:1日1回