肺高血圧症PHは、心臓から肺へ向かう血管である肺動脈の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気です。
肺高血圧症になると肺への血液循環が低下し、肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ります。そのため、軽い動作で息切れや呼吸困難といった症状が現れます。
肺への血液循環が低下すると、肺に血液を送り出す右心室がより多くの仕事をしなければならなくなる。右心室に負担がかかり続けると次第に負荷に耐えられない状態(右心不全)になります。右心不全になると肺へ十分な血液を送りこめなくなるため、軽く動いただけで一時的に意識を失うことがある。
症状:体を動かしたときの息切れや疲れやすさ
進行すると呼吸困難、動悸、胸の痛み、失神、むくみ
検査:まず心電図、胸部X線検査
肺高血圧症が疑われる場合は、心臓超音波検査で肺動脈圧の推定
精密検査:右心カテーテル検査で平均肺動脈圧の測定
2022年GL
・平均肺動脈圧mPAP20mmHg超
・肺血管抵抗PVR:2WU超
2025年GL
評価項目
・PH機能分類
・6分間歩行距離
・右房圧
・心係数
・mPAP
肺動脈性肺高血圧PAH
膠原病:BNP/NT-proBNPの上昇で心エコー
薬物治療
・血管拡張薬:プロスタサイクリン、一酸化窒素、エンドセリン
・アクチビンシグナル阻害薬:内皮・平滑筋細胞の増殖抑制
臨床的分類
・第1群:PAH(原因不明の特発性、遺伝性、膠原病によるもの)
・第2群:左心疾患に伴うPH
・第3群:慢性肺疾患/低酸素症に伴うPH
・第4群:肺動脈閉塞に伴うPH:慢性血栓による肺動脈の狭窄
・第5群:その他