肝腫瘤性病変~画像を物語るための病理学~
札幌厚生HP、病理、市原先生
●肝細胞癌
1.ぱんぱんに詰まっている
腫瘤標本に割面を入れると盛り上がる→超音波では、既存構造の圧排、正円に近い、内部に既存構築がない
2.被膜がある→超音波では、辺縁低エコー帯、側方陰影
3.多段階発癌によるモザイクや周囲増殖パターン→超音波では、結節内結節、モザイク(ステンドガラス様)、外に凸な結節
4.悪性度が低い/高いものは難しい→早期癌、多結節融合型、低分化肝細胞癌
●血管腫
1.正常組織を圧排しない、リアス式の境界→超音波では、辺縁不規則、正常組織が貫通、辺縁高エコー帯
2.血管腔の大きさはさまざま、静脈性血管が主体
→超音波では、境界面が多いと高エコー、少ないと低エコー(特に大きいもの)、カメレオンサイン
●転移性腫瘍
1.腫瘍細胞は主にへりの部分で生きている→超音波では、厚く不均質な辺縁低エコー帯
2.中心部壊死→超音波では、融解すると低エコー、管腔にたまると高エコー、石灰化もありうる
3.元の組織による違い→バリエーションが多い