2021年9月19日日曜日

肝腫瘤性病変~画像を物語るための病理学~

 肝腫瘤性病変~画像を物語るための病理学~

札幌厚生HP、病理、市原先生


●肝細胞癌

1.ぱんぱんに詰まっている

腫瘤標本に割面を入れると盛り上がる→超音波では、既存構造の圧排、正円に近い、内部に既存構築がない

2.被膜がある→超音波では、辺縁低エコー帯、側方陰影

3.多段階発癌によるモザイクや周囲増殖パターン→超音波では、結節内結節、モザイク(ステンドガラス様)、外に凸な結節

4.悪性度が低い/高いものは難しい→早期癌、多結節融合型、低分化肝細胞癌


●血管腫

1.正常組織を圧排しない、リアス式の境界→超音波では、辺縁不規則、正常組織が貫通、辺縁高エコー帯

2.血管腔の大きさはさまざま、静脈性血管が主体

→超音波では、境界面が多いと高エコー、少ないと低エコー(特に大きいもの)、カメレオンサイン


●転移性腫瘍

1.腫瘍細胞は主にへりの部分で生きている→超音波では、厚く不均質な辺縁低エコー帯

2.中心部壊死→超音波では、融解すると低エコー、管腔にたまると高エコー、石灰化もありうる

3.元の組織による違い→バリエーションが多い