2021年3月20日土曜日

COVID-19ワクチンに関する提言

 日本感染症学会

COVID-19ワクチンに関する提言、第2版


●ワクチンの有効性

ファイザーとモデルナのワクチン:有効率90%以上

COVID-19発症を指標としたもので、感染を指標としたものではない。

ワクチン接種者でも不顕性感染が起き、感染源になる可能性はある。


●今後の課題:

重症化予防効果

75才以上の高齢者での有効性

基礎疾患のある方での有効性

アジア系での有効性

免疫持続性について


●変異株

イギリスの変異株:感染力が36-75%上昇、ワクチンの有効性には大きな影響はない。

南アフリカ、ブラジルの変異株:ワクチンの有効性に影響が出る可能性あり。


●安全性:

日本の臨床試験における有害事象

ファイザーのワクチン

注射部位疼痛70-80%、疲労40-60%、頭痛30-40%など

高度のものは1-3%程度

発熱は10-30%、38.9℃以上は2回目で0.9%


●アナフィラキシー

米国:100万接種あたりファイザーで11.1、モデルナで2.5

女性が94.5%、アナフィラキシーの既往が38.7%、

接種後15分以内が77.4%、30分以内が87.1%

症状は皮膚、呼吸器

原因物質としてポリエチレングリコールの可能性

薬剤や化粧品に広く使用されている物質


●まとめ

現在までの情報では、ワクチンの有効性は高く、

副反応も一過性のものに限られ、

アナフィラキシー以外には

重篤な健康被害はみられていません。

長期的な有効性や安全性の点で

まだ不明な点はありますが、

わが国においてもわが国で承認さ

れたCOVID-19 ワクチンを接種することが望まれます。

なお、ワクチン接種を受けることで

安全が保証されるわけではありません。

接種しても一部の人は発症します。

発症しなくても感染し

無症状病原体保有者として人に広げる可能性

もあります。またワクチンの効果が

どのくらい続くかも不明です。

マスク、手洗い等の基本的な感染対策は維持すべきである。