「左軸偏位」
加齢とともに出現するものの中には
横位心によるものがあります。
大動脈の動脈硬化により心臓が大動脈弓部に押されて横向き気味になったり
腹部肥満による横隔膜挙上で心臓が横向きになります。
前額面での心臓全体の電気的な向きと心臓の解剖学的な長軸方向は本来は別ですが、
比較的似ていることが多いです。
従って、軽度の左軸偏位では、胸部XPで心臓が横に寝ているかどうか
が問題になります。この場合、心胸郭比が50%以上の心拡大となります。
実際には、横向きのため、ほかの合併症がない限り、心腔の拡大はないです。
-30度以上の左軸偏位(Ⅱ誘導のS波がR波より大きい)では、左脚前枝ブロックを合併している可能性があります。
高血圧や心筋虚血などが原因のことがあります。
また、完全右脚ブロックに左軸偏位が合併すると、右脚と左脚の両方に伝導障害があるので、
二枝ブロックといいます。
さらにⅠ度房室ブロックを同時に合併していると、房室伝導障害も加わり、不完全三枝ブロックといいます。
この状態が進行すると、完全房室ブロックになります。
まずは、Ⅱ誘導のS波がR波より大きいかどうか、
完全右脚ブロックやⅠ度房室ブロックがないか、
また、胸部XPで心臓が横に寝ていないか、
あるいは、腹部肥満がないか、を見ます。