2026年9月1日火曜日

構造的心疾患とは

 構造的心疾患とは

●心臓の構造におこる疾患:

 弁膜症、肥大型心筋症、心房中隔欠損症など


●大動脈弁狭窄症:高齢化で増えている

2013年からTAVI(経皮的大動脈弁植え込み術)

外科手術のリスクが高い例に適応

手術リスクが低い例でも検討されているが

長期成績はまだ劣る

大動脈の動脈硬化が強いとカテーテルの挿入が困難

TAVI in TAVI:

10-15年で弁機能異常をきたした場合に

TAVI弁の中に二つ目のTAVI弁を入れる

とくに小柄な高齢女性では困難なことあり


●僧帽弁閉鎖不全:

一次性:弁自体の異常によるもの

 外科手術が有利

二次性:左心室や左心房の拡大によるもの

 MitraClip:弁尖をクリップではさんで逆流を減らす


●カテーテル治療の利点:

開心術後のリハビリが不要

認知レベルが軽度なら可能


●心エコー

大動脈狭窄症の重症度:

・最大流速:右側臥位での右胸壁アプローチ

・低流速・低圧較差:弁口面積は狭いのに流速は早くない

→ドブタミン負荷心エコーを

*症状のある最大流速4m/秒未満の場合:精査を


僧帽弁閉鎖不全の評価:

・一次性:腱索断裂や逸脱→外科的弁形成

・二次性:心室/心房の拡大に伴う弁輪拡大やテザリング

 →外科治療の成績は限定的


●進化するTAVI

ガイドラインでは80才以上でTAVI

75才未満でSAVR(外科的弁置換術)を第一に検討

適応拡大:慢性透析患者に対するTAVI、2021年から

外科的生体弁に対するTAVI:

 外科的生体弁の内側にTAVI弁を留置

TAVI弁に対するTAV in TAV:

 劣化したTAVI弁に対して、再度TAVIを実施


●重症心不全

二次性僧帽弁閉鎖不全を合併することが多い

MitraClip:2018年から日本で実施

機序:僧帽弁自体に構造的異常はない

左心室の拡大や機能低下に伴う

弁支持構造の変化

乳頭筋や腱索が牽引される牽引力と

閉鎖力の低下との不均衡

心房細動に伴う左房・僧帽弁輪拡大


●左心耳閉鎖術

心房細動の最も重篤な合併症が

心原性脳塞栓であり

重症度/致死率が高い。

血栓の90%は左心耳にできる

適応は出血の危険性が高い患者


●卵円孔開存閉鎖術

虚血性脳卒中は

・アテローム血栓性脳梗塞

・ラクナ梗塞

・心原性脳塞栓症

・原因不明の脳梗塞25%:大部分は塞栓源不明の脳塞栓症

このうち卵円孔開存PFOが原因:全脳梗塞の3-5%

PFOの有病率は一般人口の20-25%


2026年8月21日金曜日

新型コロナ感染症による死亡は、ほとんどが高齢者

 新型コロナ感染症による死亡は、ほとんどが高齢者


5類移行から3年経過も、

2024年のコロナ死亡者は約3万5865人(インフルの13倍超)、

9割超が高齢者。

ワクチン接種率は高齢者で約2割と低迷。


2025年

コロナによる入院:約64,600人

インフルエンザによる入院:約24,000人

コロナによる死亡:約21,500人

インフルエンザによる死亡:約6,800人


2026年8月13日木曜日

植え込み型除細動器(ICD)と自動車運転

 植え込み型除細動器(ICD)と自動車運転


1960年道路交通法

てんかんや精神疾患などは絶対的欠格事由

病気があるだけで運転免許取得不可


2001年道路交通法改正

病気があっても安全に運転できるかを個別に判断

不整脈による失神やICD患者も運転適性評価の対象


現在、ICD患者が一律に運転禁止ではない。

植え込みの理由やその後の作動状況によって

一定期間の運転制限はあるが

その後の状態が安定していれば運転は認められる。


ICD患者の調査では

運転免許を保有している患者の3割が公安委員会への

届け出を行っていなかった。

運転を希望する患者は、

診断書を公安委員会に提出し一定期間の運転が

認められます。


2026年8月12日水曜日

健康保険証の有効期限切れ

従来の健康保険証はすべて有効期限が終了しています。

有効期限切れの健康保険証を持参しても受診できるという

暫定的な取り扱いをしてきましたが、

この取り扱いは、R8年7月31日をもって終了しました。

次回からマイナ保険証または資格確認書を必ず持参してください。

2026年8月1日土曜日

おくすりが不足しています

 おくすりが不足しています


●製造中止

・エチゾラム(抗不安薬):他メーカーに変更

・ブスコパン(腹痛治療薬):後発品に変更

・イドメシンコーワクリーム/ゾル:同種同効薬に変更

・ネリザ軟膏(痔治療薬):同種同効薬に変更

・バルサルタン(降圧剤):他メーカーに変更

・ヘパリン類似物質スプレー:他メーカーに変更

・マックターゼ(消化酵素):同じ成分の薬なし

・ミグリトールOD50(糖尿病治療薬):普通錠に変更


●欠品

・パスタロンソフト軟膏

・テラムロAP(降圧剤):アムロジピンとテルミサルタンに変更

・プランルカスト(抗アレルギー剤):他メーカーに変更

・ラックビー(整腸剤):同種同効薬に変更


2026年7月24日金曜日

医療情報の見分け方講座

 <神奈川県保険医協会/第5回市民公開講座>

「医療情報の見分け方講座 

~その医療情報、フェイクかも!?

家族を守る視点を身につけよう!~」 


●テーマ:「健康・医療情報の見極め方・向き合い方―がんの免疫療法を中心に」

演者:日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 教授 勝俣 範之 氏


厚生労働省eJIM(イージム):

民間療法をはじめとする相補(補完)・代替療法と、

どのように向き合い、利用したらよいのかどうかを考えるために、

エビデンス(根拠)に基づいた情報を紹介


がんの治療

1.標準的治療がベスト

2.治験:次に考えてもよい

3.先進医療:あまり期待できない

4.自由診療:まったく期待できない


がん拠点病院


腫瘍内科


がんの「ニセ医療」

・保険が効かない

・「がんが消えた!治った!

・体験談(医療広告で禁止)



●テーマ:「補完代替療法への自衛策」

演者:弁護士法人御堂筋法律事務所 弁護士 山崎 祥光氏


危ないのは

・標準的治療を否定する

・病気の予防、治療に効果があるとうたっている

・個人の体験談をのせている

・今だけ、今回割引、など強引な勧誘


怪しいサプリメント:消費者センターに相談を

2026年7月22日水曜日

クマを森から出さないためには

 ●クマを森から出さないためには

クマの分布域

40年間でヒグマ1.9倍、ツキノワグマ2倍に拡大


原因

・森の拡大:人間活動が衰退し、耕作地が森に戻った

・緩衝地帯の消滅:クマが分布していた奥山の手前に

  中山間地域での農林業活動の消滅

・1999年クマ捕獲上限の設定により獲りすぎないことに


北東北特有の原因

・ドングリの不作

・住人が去った集落跡や高齢化した農山村には

  収穫されないカキやクリの果実が多い


対策

・クマの正しい姿を知る

・行政:専門知識を持った職員の配置

・すみわけ:集落周辺に緩衝地帯(ゾーニング)を復活

  人里周辺のクマの捕獲

  人里周辺の森林の整備


野生動物の問題は自然災害と同様に考えるべき

100年に1回の大雨に備えて堤防を強化すると同様に

数年に1回のドングリの不作に備えて

ゾーニングを実現維持、誘因物や侵入経路を除去すること