2025年12月25日木曜日

肺高血圧

 肺高血圧症PHは、心臓から肺へ向かう血管である肺動脈の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気です。

肺高血圧症になると肺への血液循環が低下し、肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ります。そのため、軽い動作で息切れや呼吸困難といった症状が現れます。

肺への血液循環が低下すると、肺に血液を送り出す右心室がより多くの仕事をしなければならなくなる。右心室に負担がかかり続けると次第に負荷に耐えられない状態(右心不全)になります。右心不全になると肺へ十分な血液を送りこめなくなるため、軽く動いただけで一時的に意識を失うことがある。


症状:体を動かしたときの息切れや疲れやすさ

進行すると呼吸困難、動悸、胸の痛み、失神、むくみ


検査:まず心電図、胸部X線検査

肺高血圧症が疑われる場合は、心臓超音波検査で肺動脈圧の推定

精密検査:右心カテーテル検査で平均肺動脈圧の測定



2022年GL

・平均肺動脈圧mPAP20mmHg超

・肺血管抵抗PVR:2WU超

2025年GL

評価項目

・PH機能分類

・6分間歩行距離

・右房圧

・心係数

・mPAP


肺動脈性肺高血圧PAH

膠原病:BNP/NT-proBNPの上昇で心エコー


薬物治療

・血管拡張薬:プロスタサイクリン、一酸化窒素、エンドセリン

・アクチビンシグナル阻害薬:内皮・平滑筋細胞の増殖抑制


臨床的分類

・第1群:PAH(原因不明の特発性、遺伝性、膠原病によるもの)

・第2群:左心疾患に伴うPH

・第3群:慢性肺疾患/低酸素症に伴うPH

・第4群:肺動脈閉塞に伴うPH:慢性血栓による肺動脈の狭窄

・第5群:その他


2025年12月15日月曜日

高血圧10の真実

 高血圧10の真実

1.高血圧は、将来の脳卒中・心臓病・腎臓病・認知症の

発症リスクを高める病気です。

2.日本では1年間に17万人が高血圧(脳心血管病)が原因となる病気で死亡しています。

3.日本の血圧コントロール状況は主要経済国の中で最下位レベルです。

4.上の血圧を10下げると脳卒中心臓病が2割減少します。

5.年齢にかかわらず130/80以下にすると脳心血管病が減ります。

6.生活習慣の改善(減塩、減量、節酒、禁煙)で血圧が改善します。

7.日本人の食塩摂取量は1日10gです。6g未満が目標。

8.目標血圧まで下げるには、薬が平均2種類以上必要です。

9.血圧の下げる薬は安価安全で効果があり副作用よりも血圧を下げる利益のほうが大きいです。

10.家庭での血圧測定は高血圧の診断と治療に役立ちます。

2025年12月10日水曜日

当院採用薬のうち製造中止のくすり

 テラムロAP(降圧剤):他メーカーも納品困難

テルミサルタン(降圧剤)

ミグリトールOD錠(糖尿病治療薬)

テオドール(喘息治療薬):他剤に変更

シロスタゾール(抗血小板薬)

マックターゼ(消化酵素薬):代替薬なし

ネリザ軟膏(痔治療薬)

イドメシンコーワゾル(鎮痛薬)

イドメシンコーワクリーム(鎮痛薬)


代わりのメーカーないし代わりの薬剤があるものと

ないものがあります。


2025年12月1日月曜日

高齢発症のてんかん

てんかんは100人に1人

小児・青年と高齢者の2峰性の分布

高齢発症が増えている

抗てんかん薬の反応は良好

背景病態:脳血管障害、中枢神経感染症、

脳腫瘍、頭部外傷、認知症など

原因不明も3-4割

MRI:軽度海馬委縮、虚血性白質病変

70%は側頭葉てんかん

症状:口をもぐもぐ、手をもぞもぞ、

呼びかけに反応しない、目の焦点が合っていない

発作前後の記憶がないなど

数分で終了、その後、徐々に回復

2025年11月25日火曜日

12月2日以降の保険証について

保険証について
R7年12月2日から
すべての発行済みの保険証が使えなくなります。
必ず
マイナ保険証
または
資格確認書
を持参してください。

大変申し訳ありませんが、
当院では、
スマホ保険証やマイナポータルの
対応ができないため、
受診をお断りしております。

2025年11月23日日曜日

アイフレイル

 アイフレイル

加齢に伴う目の機能低下

・目が疲れやすい

・夕方になると見えにくい

・まぶしく感じる

・まっすぐの線が波打って見える

など


視機能障害

1.緑内障

2.網膜色素変性症

3.糖尿病性網膜症

4.黄斑変性症


老視:50才代に調節力ほぼ喪失


白内障

・原因:加齢、アトピー性皮膚炎、糖尿病など

・水晶体の混濁部位により進行が異なる

・前立腺肥大の薬(α遮断薬)は手術に影響がある


眼瞼下垂

・加齢などによりまぶたが下がる

・頭痛、眼精疲労などをきたす

・まぶたをこすりすぎないこと

・治療は保険適用


IT眼症

・PC画面は63.5cmはなす(腕を伸ばした距離)

・スマホは30cmはなす


ドライアイ

・涙液減少

・水濡れ性低下

・蒸発亢進


サギングアイ症候群(斜視)

・眼窩内の結合靭帯の加齢性変性

・60才以上

・ぼやける、焦点が合わない


緑内障

・40才以上の5%

・早期発見が重要

・正常眼圧が64%


加齢黄斑変性

・視野の中心部に暗点や変視

・黄斑部に新生血管ができる場合は進行早い

・新生血管からの漏出により網膜浮腫・剥離

・硝子体注射


黄斑上膜・黄斑円孔

・硝子体が加齢により収縮

・それにより網膜剥離をきたすことが原因

・物がゆがむ、左右の目で物の大きさが違う

・手術治療


糖尿病性網膜症

・年1回は眼科受診

・レーザー治療

・硝子体注射


2025年11月2日日曜日

原発性アルドステロン症

 ■特徴

・慢性的に副腎からアルドステロンを過剰分泌

・治癒可能な二次性高血圧

・従来の想定よりも高頻度

・治療抵抗性の高血圧

・脳心血管疾患が多い


■高有病率の病態

・低K血症(利尿剤投与例を含む)

・治療抵抗性

・40才未満

・未治療時150/100以上

・副腎腫瘍合併

・若年での脳卒中

・SAS合併


■スクリーニング検査

・早朝空腹時、安静臥位

 または午前中の座位

・Ca拮抗薬やα遮断薬に変更後

 または降圧剤内服したまま

・アルドステロンCLEIA法


■新基準

・血漿アルドステロン濃度/血漿レニン活性比≧100

 または

 血漿アルドステロン濃度/活性型レニン濃度比≧20

・血漿アルドステロン濃度≧60

両者を満たせば暫定陽性


■MR拮抗薬の用量調整

血圧の正常化

血清Kの正常化

レニン抑制の解除

(血漿レニン活性>1.0または活性型レニン濃度>5.0)